高コレステロール時に食事で気を付けることは?
高コレステロールの状態は健康リスクが伴うため、食事を含めた生活習慣の改善が必要になるケースが多いです。
偏った食生活をしている方にとっては食事の内容を見直す必要があると感じている方も多いのではないでしょうか?
高コレステロールとは?
高コレステロールと診断されると、食事療法を元に脂質の摂り方などに気を配った食事をするというのが一般的でした。ですが、厚生労働省が何年かおきに発表する日本人の食事摂取基準内でも一日のコレステロールの摂取量も上限(成人男性750r、成人女性600rの目標摂取量)が定められていましたが、2015年度版より撤廃されています。
これは食事から摂取したコレステロールが血液中のコレステロール値に与える影響には、個人差が大きく目標量を設定するのに十分な科学的根拠が得られなかったためと発表しています。この動きはアメリカでも米国人のための食生活ガイドライン内からコレステロール摂取基準を削除するというような発表もされています。
ですので、現在の高コレステロールと食事の摂り方では「コレステロール=悪」という認識ではなくなってきているようです。
しかしコレステロールに関する情報を発信している「日本動脈硬化学会」では
現在、高血圧や糖尿病、喫煙など他の動脈硬化疾患の危険因子をお持ちでなく、LDLコレステロール値が高くない方は、現在の食事内容でコレステロールを制限する必要はありません。しかしながら、飽和脂肪酸はLDLコレステロール値を増やすことが知られています(※3)。コレステロールを多く含む動物性食品は同時に飽和脂肪酸も多く含みますので、このような動物性食品を摂りすぎないことをお勧めします。上記のアメリカの発表でも、日本人の食事摂取基準でも飽和脂肪酸の制限を設けています。そしてLDLコレステロール値が高い人についてはこれまでどおり、食事でのコレステロール摂取制限が必要であり、同時に飽和脂肪酸についても必要です。
引用:一般社団法人「日本動脈硬化学会」
というようにLDLコレステロール値が高い方はバランスの良い食事を心がけ脂質の摂り方に気を配る必要があるというように書かれていました。
食事から摂取するコレステロール摂取をコントロールが必要な場合を除くと、基本的には制限は必要が無いものの、コレステロールを多く含む食品に同時に含まれる飽和脂肪酸の摂り方についてコントロールが必要であることも書かれており、日々の食事からこれらに目を向けていく必要があるというのが、現在の高コレステロールの方の食事で理解しておきたい点となっています。
実際にお医者さんから脂質異常症などの診断を受けた場合には自身の身体の状況に合わせて、生活面や食事の面での改善アドバイスや制限などが指導してもらえますので、その範囲内で高コレステロール対策の一つとして食事をしていくことが基本となっています。
高コレステロールの判断基準
高コレステロールの判断基準は血液検査を行い、血液中の脂質の数値を調べるのですが、高LDLコレステロール血症の基準はLDLコレステロールが140mg/dL以上となっています。
この他に高LDLコレステロール血症を含む脂質異常症の状態として
- HDLコレステロールが40mg/dL未満で低HDLコレステロール血症
- 中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dL以上で高トリグリセライド血症
というような基準が設けられています。
高コレステロールの方の食事のポイント
高コレステロールの中で血液内に溶けている悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールと中性脂肪が多い状態や善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールが少ない状態を脂質異常症と呼びます。
原因には
- 遺伝
- 肥満
- 食習慣
- 運動不足
といったものが挙げれており、高コレステロール対策は食習慣・運動などの生活習慣を総合的に良化させるように目標を持って取り組むことが基本とされています。
そして食事はその中の対策ポイントの一つです。
脂質異常症の食事といっても数値によって適した食事が違いますので、この点は医者の指示に従いましょう。
脂質異常症を防ぐには生活習慣の改善が必須で中でも日々の食事に目を向け、規則正しく栄養バランスを心がけるということが基本となってきます。
そして高コレステロールや中性脂肪値が高い方の食生活では過食や高脂肪食といった偏った食習慣が多いことから、食習慣の改善を勧められることが多いです。
そのため、食事面を改善していく必要があるという考えあるわけですね。
日本食のすすめ
日本動脈硬化学会では日本人と馴染みの深い日本食メインの食事を進めています。
その中でのポイントとなるのが
- 食物繊維をしっかりと摂ること
- ビタミン不足に注意
- 食べ方・量に注意する
これらを軸にしながら、日本食に使用されることが多い食材が栄養バランスを整えるのにおすすめされています。
参考:一般社団法人「日本動脈硬化学会」
参考:日本栄養士会「脂質異常症の食事療法」
食物繊維不足解消
食物繊維は腸内環境を整えるためにも必要ですが、その他にも食後の血糖の上昇やコレステロールの吸収に関する働きがあると言われており、野菜不足などの食生活を正すように指導されます。
日本人に馴染みの深いゴボウやニンジン、大根といった根菜類やキノコ類、コンニャク、海藻類、果物などは特に食物繊維が豊富です。
摂取量は日本人の食事摂取基準(2015年版)では、目標量として18〜69歳で1日あたり男性20g以上、女性18g以上となっています。
ビタミンをしっかり摂る
野菜や果物などに多く含まれるビタミンの中には酸化を防ぐ抗酸化の力の働きを持つビタミンがあります。これらは活性酸素の発生を防ぐなど健康的な身体を保つのに必要な栄養素と言われています。
ビタミンAやビタミンC、ビタミンEはこのパワーが強いと言われており、野菜不足な方はしっかりと摂りたい栄養です。
ビタミンCはレモンやミカンなどの果物系に多く、ビタミンAはニンジンや小松菜、レバーといった食材に含まれている他、ビタミンEはカボチャ、ホウレンソウ、アーモンド、くるみ、ごまなどに多く含まれています。
ビタミンは一度に沢山摂っても全て吸収されず、身体に溜めておけるものではないので日々の食事の中で継続的に摂ることが大切です。
ポリフェノールで酸化対策
近年健康に良い影響があるとして知られるようになったポリフェノールもビタミンCなどと同様に抗酸化力が高い成分です。
油の質に注目
高コレステロールの方は肉などに含まれる動物性脂質だけでなく、魚や植物油もバランス良く摂ることを勧められています。
動物性脂質は偏りすぎると中性脂肪などにも影響があるため、魚などに含まれる不飽和脂肪酸を摂ることは高コレステロールの方の食事のテーマになります。
不飽和脂肪酸とはEPA・DHAといった魚に多く含まれる成分で、他にもα―リノレン酸を含むごま(エゴマ油)や、亜麻仁油なども体内でEPA・DHAに変換される不飽和脂肪酸が摂れる食材です。
近年ではオメガ3として健康情報で紹介されることが増えた体内で作ることができない必須脂肪酸です。
他にも
- オメガ6系脂肪酸(コーン油、大豆油、綿実油、グレープシードオイルなどに含まれる必須脂肪酸)
- オメガ9系脂肪酸(オリーブオイル、べに花油(ハイオレックタイプ)、なたね油(ハイオレックタイプ)、落花生油などに含まれる体内で合成できる脂肪酸)
があります。
食肉には飽和脂肪酸が多く含まれています。
魚嫌いで肉中心の食生活な方の場合はバランスを心がけることが基本です。
お肉を食べる時はやはり脂身の少ないヒレやもも肉などの部位を選ぶなど、バリエーションを加えながら脂身の摂り方に気を配る意識も大切です。
魚の油は良いけど、どうやって調理するのが良い?という時には、新鮮な魚は刺身や焼き魚、煮魚といった調理法で他の油などで焼いたり、揚げる調理をしてしまうと違う油を摂ることになってしまうので注意したいですね油を使う調理にはオレイン酸が豊富なオリーブオイルなど地中海料理のようなイメージでオメガ3脂肪酸も同時に摂れるような調理をするのもおすすめです。
食べ方・食べる時間の見直し
過食になりがちで体重が増加傾向にある方は食事の食べ方や食べる時間の見直しも健全な食生活ではポイントになります。
1日3食を基本とした場合、規則的に食事を取ることが大切です。バランスのよい食事を重視するほか、できるだけ決まった時間に食べることで生活リズムを整えるのも大切です。
そして過食になりがちな高コレステロールや中性脂肪が多い方は食べる量を腹八分目を意識する。とても難しい部分がありますが、しっかりと噛むこと、おかずも野菜などの食物繊維が豊富な食材で満足感を高める、さらにご飯が大好きな方は器を変えるといった工夫で対策をするのがおすすめです。
忙しい毎日の中で時間をとって食べるということは難しい面もありますが、それでも早食いやまとめ食いといった食べ方は満足感が得られにくく自然に量を食べてしまう傾向にあるため、決まった時間に食べる習慣が重要になってくるわけです。
まとめ食いの典型と言えるのが、夜、仕事から帰ってきてコンビニやデリバリー系をドカっと食べてしまうことです。
夜のまとめ食いは栄養面も偏りやすく食べ過ぎてしまうことが多いです。夜の食事の中でも寝る直前に食べたものはエネルギーとして消費される機会が無いため、脂肪として体に蓄積されてしまうと言われています。
そのため、食べる時間にも注意してできるだけ寝る2時間前までに食事を済ませる意識も大切です。
まとめ
高脂血症などで高コレステロールの方は、放置しておくと動脈硬化などの健康リスクがあるとして会社の健康診断などでも注意を受けることがありますよね。
健康でいるためには、食事のコントロールが必要となります。そしてそれに伴い、運動などを取り入れて身体を動かす習慣を持つことが高コレステロールや中性脂肪が高い方の生活改善ポイントとなります。
もし献立作りや栄養面といった食事の面でお困りの方、自身が無い方は、便利な宅配食事もおすすめです。
カロリー量、塩分、栄養バランスに配慮した内容は健やかな毎日の土台となる食事の面でサポートしてくれます。
高コレステロールに関する食事の摂り方は、自身の数値に伴う医師からの指導を元に行いましょう。
その範囲の中で、健康的な食生活を送るのに食事作りという面でハードルがある方は宅配食事などの便利なサービスを活用することをおすすめしまます。
脂質の摂り方を見直したい方向けメニューがある宅配食事